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キム・ヨナはかつてキム・ユナだった…韓国人の名前表記がいい加減だった頃

チャ・ボムグン
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チャ・ボムグン

断捨離をしていたら1997年のサンスポが見つかりました。12月19日付け紙面の裏一面でとりあげられていたのは、1998年に開催されるサッカーW杯に向けて日韓のサッカー指揮官がトップ会談を行うという記事でした。

そこで気になる表記が目に入りました。韓国代表の車範根監督の読み方が、チャ・ブンクンとなっていたことです。ハングルを学んでいる方は、漢字をそのまま차범근というハングルに置き換えることができると思いますが、これを普通に読めば、チャ・ボムグンが正解となります。

車監督は1980年代を代表する選手でエースストライカーとして活躍。「アジアの虎」と呼ばれ、ドイツのブンデスリーグでも活躍しました。サッカー好き、かつ韓国に興味を持っていた筆者も、当時はチャ・ブンクンと呼んでいたと記憶しています。

なぜチャ・ボムグンではなくチャ・ブンクンとなったのか。これは韓国人の名前の英語表記の仕方に韓国特有の法則があるからです。

チャ・ボムグン

日本語をローマ字で表記する際はヘボン式が一般的で、基本的には置き換えにあたっては統一されていますが、韓国の場合は統一されていないため、李さんは「Lee」「Yi」「Rhee」「Li」などさまざまな表記があります。鄭さんも「Chung」「Jeong」「Jung」、朴さんも「Park」「Pak」などとさまざまな表記があります。

ちなみに車範根の表記はCha Bum-Kun。このため、チャ・ブンクンと読むようになったと思われます。

同じように、韓国を代表する女子フィギュアスケートのキム・ヨナも、浅田真央の同い年のライバルとして日本のメディアに取り上げられるようになった2000年代初期には、日本のメディアの多くがキム・ナと表記していました。

メディアの人間でもハングルを読むことができるスタッフがまだ多くなかったであろう時代だけに、やはり頼りするのは英語の表記。彼女の英語表記KIM YUN-Aにつられてキム・ユナと読んでしまったことは推察できます。まぁ当時としては仕方ないことでしょうね。

昔の本に出て来た一般の韓国人の名前も、かなりメチャクチャな表記になっています。

ツォン・サンチュル

今から30年前の1992年に出版された「不思議ニッポン見聞録」(ジャテック出版)が出て来たので、これも捨てる前に一読していたら、韓国人の干相哲さんという方が登場するのですが、「ツォン・サンツェル」とルビが振られています。下の名前はサンツェルではなくサンチョルですね。名字の方ですが、「干」の字が合っているのだとすれば、「간(カン)」と読みますが、この名字は存在していません。「ツォン」とルビがあることからおそらく「千(천、チョン)」の誤りと思われます。

1990年代や2000年代初期はこんなミスが当たり前でした。

今では、振り仮名などふられていなくても、ふつうに韓国の人の名前を発音できる人が日本のメディアはもちろん、一般の方にも、あたりまえのように読める時代になりました。隔世の感がありますね。

チャ・ボムグン

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